COLUMN お知らせ・コラム
実は難しくない!?自社システム開発を成功させるためのコツ5選
自社に最適化した独自システムは、業務効率と競争力を同時に高めます。本記事は、システム開発とシステム運用の両面から成功の勘所を解説。初心者にもわかるよう専門用語には補足を添え、PREP法で筋道立てて説明します。要件定義の精度、受託開発の進め方、運用設計の組込み、内製と外部委託の戦略的な分担まで、すぐ実践できる要点を提示します。
【目次】
1.システム開発成功率を高める要件定義と非機能要件設計の要点
2.受託開発で独自システムを成功に導く進め方とRFP変更管理
システム開発成功率を高める要件定義と非機能要件設計の要点
Point:自社システム開発を成功させる最大の近道は、要件定義を“定量”と“具体”で固め、非機能要件を早期に合意することです。
Reason:曖昧さは手戻りの温床で、特に非機能要件(速度・可用性・セキュリティなどの品質条件)が後出しになると設計からやり直しになります。これは家を建てた後に「地震にもっと強く」と言うのに似て、土台から変える必要が出るためです。
Example:「画面はサクサク」ではなく「同時100ユーザーで平均応答0.8秒以下」「ピーク時でも99.9%稼働」「個人情報はAES-256暗号化」「復旧時間(RTO)2時間・復旧点(RPO)15分」など数値化します。さらにプロトタイピング(試作品)で実画面の動きを確認し、現場の業務フローと用語の齟齬を洗い出します。既存システム連携は、どちらのデータが“正(マスター)”か、同期方法(リアルタイム/バッチ)とエラー時の再送手順まで文章で固めます。これは注文書に数量・納期・品質基準を明記するのと同じで、解釈の余地を潰すことが目的です。
Point:数値化・試作・連携設計をセットで要件化すれば、品質・コスト・納期のブレは劇的に減ります。
受託開発で独自システムを成功に導く進め方とRFP変更管理
Point:受託開発の肝は、発注前のRFPで「目的・範囲・品質・検収」を明確化し、進行中は自社が変更管理の意思決定を握ることです。
Reason:作るのはベンダーでも、何を優先しどの品質を許容するかは発注側の判断です。ここを委ねると「いつの間にか仕様が膨らむ」「納期と品質の優先が逆転する」という典型的な失敗が起きます。
Example:RFP(提案依頼書)には、対象業務のスコープと“範囲外”、非機能要件、受け入れ基準(UATの合否条件)、データ移行方針、保守SLA、体制・連絡窓口、ソースコードの権利帰属まで記載します。変更要求(CR)は、影響(納期・費用・品質)を見積り、RACI(責任分担)に基づき承認。例えば「承認ワークフローの段階追加」を思いついたら、他要件との優先順位を再評価し、今スプリントに入れるか次に回すかを明示します。これは家の設計変更で、費用と工期を再見積りしてから決めるのに等しい運用です。
Point:RFPで期待値を言語化し、CRで変更を透明化する。発注側が舵を握れば、独自システムでも狙い通りの結果に近づきます。
システム運用を見据えた開発プロセス最適化と監視ログ設計
Point:運用は“後工程”ではなく“設計項目”として織り込むべきで、監視・ログ・権限・バックアップを最初から設計に組み込むことが長期コストを最小化します。
Reason:障害は必ず起きる前提で、早期検知・迅速復旧・再発防止の下地がなければ、止まるたびに事業が揺れます。監視は体温計、ログはフライトレコーダー、権限は安全帯、バックアップは保険と捉えるとイメージしやすいでしょう。
Example:本番・検証・開発の三環境を分離し、リリースは自動化して手順のバラつきを排除します。監視は応答時間・エラーレート・キュー滞留などのKPIに閾値を設け、突発だけでなく傾向変化もアラート化。ログは追跡IDで処理を横断できるよう構造化し、個人情報はマスキングします。バックアップはRTO/RPOを事前合意し、定期的に復旧訓練で“本当に戻せるか”を検証します。権限は最小権限原則で、誤操作や不正の影響を局所化します。手順書はスクリーンショット付きで随時更新し、属人化を避けます。
Point:“運用設計込みの開発”へ発想を転換すれば、止まりにくく直しやすいシステム運用が実現します。
内製と受託開発を組み合わせた自社システム戦略と人材育成の実務
Point:独自システムは、価値の源泉は内製で握り、共通基盤は受託やマネージドサービスを活用する“ハイブリッド”が最も実践的です。
Reason:すべて内製は人材獲得と学習負荷が重く、すべて受託は機動力とノウハウ蓄積が弱まります。コア領域(業務ロジック、UI/UX、データ分析)は内製に向き、インフラ、認証、監視、テスト自動化などは外部活用が効率的です。
Example:内製側はプロダクトオーナーとテックリードを軸にバックログを管理し、受託側はスプリント単位で実装力を柔軟に増減します。設計原則とコーディング規約を合同レビューで統一し、リポジトリとドキュメントを共有して人の入れ替わりに耐える“知の貯金”をつくります。人材育成は小さな改修からの当事者経験が最短で、シャドーイング(並走)→ペア作業→単独実装の順で段階的に移行します。評価は速度だけでなく品質指標(欠陥率、カバレッジ、MTTR)も織り込み、短期と長期の両立を促します。
Point:役割分担を設計し、知識を継続的に内部化すれば、スピードと持続性を兼ね備えた自社システム戦略が確立します。
まとめ
自社システム開発は、要件定義で“数値と具体”を固め、受託開発ではRFPと変更管理で意思決定を明確にし、運用は設計段階から織り込むことで難しくなくなります。さらに内製と外部の強みを組み合わせれば、独自性と安定運用を両立できます。まずは小さなプロトタイプと非機能要件の数値化から、今日始めてみましょう。